それでは、機械を見てみましょう。
ゼニス社の傑作クロノグラフ・ムーブメント「エル・プリメロ」を使用しています。
このムーブメントは、1969年に発表され、毎時36000ビートという超高速振動で高精度を可能にしており、ロレックスのクロノグラフの機械に採用された事でも有名です。
パーツ、受けの仕上げ等はダニエル・ロート仕様になっていますが、後はそのままで使用しています。
表側はクロノグラフ機構の構造が良くわかりますが、オーソドックスな構造ですのでローターを外した状態で見るに止めます。
超高速振動以外にこのキャリバーの特色を表しているのは文字盤側にあります。
カレンダー機構の構造がその他の時計より複雑に作られています。
カレンダーの早送り機構にしてもラチェット車“1”を使い、なかなか凝った作りなっています。
また、ロレックスのデイトジャストと同様にカレンダーが瞬時に変わります。
カレンダー送り車“2”の下にリリースレバーが作用して瞬時にカレンダーが瞬時に切り替わる仕組みですが、このリリースレバーに付く強いバネ“3”が折れやすく今回の物も折れていました。
現在は新しい形状の物に改善されました。
近年のムーブメントでここまでカレンダー機構に独自性が出ている物は少ないです。
今回はここまでですが、来週もお楽しみに!