時計メーカー探究 ジャガー・ルクルト編 ②

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時計メーカー探究 ジャガー・ルクルト編  時計 修理 (腕時計 修理)風景

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それでは、機械を見てみましょう。

機械はCal.891.2です。
ベースムーブメントはCal.889で、バセロン・コンスタンチンやオーデマ・ピゲ等の高級時計にも使用されています。
このベースムーブメントにトリプルカレンダー機構をマウントしています。
スイス製ムーブメントに多いのが、ベースムーブメントは同じで、その上に付属機構のモジュールをマウントしているものです。
この方法ですと、一から機械を作る必要がなく、例えば時計にカレンダー機構やパワーリザーブ機構を追加したいなら、その機構のモジュールだけを作り、ベースムーブメントにマウントする事で、その機構を備えたムーブメントが出来てしまうと言う合理的な作り方をしています。
それぞれのムーブメントメーカーに独自の印象があるのですが、ジャガー・ルクルトのムーブメントは、洗練され緻密であると感じます。
実際のところ技術力を誇るだけあって、機構も先進的で、かなり考えられて作られています。

テンプ側を見ますと、通常の時計より受けの数が少なく、自動巻き機構も他の輪列機構と同列に配置する事で、機械を薄く作る事に寄与しています。
一番大きな輪列受けを外すと、香箱、二番車、三番車等、基本的な輪列全てが納められています。
通常の時計ですと、2~3枚の受けを使用します。

次に文字盤側を見てみます。
構造が分かるように月、曜日のディスクを外しています。
ベースムーブメントの車が➀の車に伝わり、この車にはピンと爪がセッティングされていています。
一周することで、ピンと爪がそれぞれ曜日ディスクと➁の日を表示する車を一日分送ります。
②の車が31日分送られると、連動する➂の車が月ディスクを一月分送る仕組みになっています。
複雑そうなトリプルカレンダーですが、意外にシンプルな構造をしています。
今週はここまで。

それでは、また次回もお楽しみに!

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