それでは機械を見てみましょう。
機能はトリプルカレンダーのビックデイトと近年ではもはや特別複雑とは言えなくなりましたが、
この時計は12時側と6時側にある月と曜日のローリングバーで表示することで複雑さを増しています。
それぞれの表示をケース横と裏にあるプッシュボタンで変更することが出来ます。
ローリングバーのせいもありますが、ガラスが全部で6面に配置されていることで時計内部もより立体的に感じます。
裏蓋側から見ていきますが、ベースのムーブメントはツインバレルの自動巻きの機械です。
既にこの画像から通常の時計とは違った形状をしています。
もちろん、パーツ、受け等の仕上げは言うまでもなく申し分のないレベルです。
今回は、12時、6時側にあるローリングバーがどの様な仕組みで動くのかに焦点を当てたいと思います。
文字盤側を見てみると思いのほかあっさりした表情をしていますが、ベースムーブメントからカレンダー部分のモジュールを外し、裏側を見てみると、なかなか複雑な機構が現れます。
ベースムーブメントの時針車が➀の中間者と連動し➁の車に伝わるのですが、この車は裏返してみると➂の車のようにカタツムリの様なカムが付いており、徐々に動くことで➃のレバーを押し上げていきます。
レバーが押し上げられることで、連結しているアームも動きます。
更にそのアームは➄の爪の付いたレバーに連動しており、これが最大限引っ張られた状態のときに➁の車のカタツムリのカムから➃のレバーが一気に落ち、引き戻される力で瞬時に➄のレバーがローリングバーを回転させます。
なかなか文章で説明するのが難しいのですが、先ほどの動作と同様に③の車から爪の付いたレバーが解放される事で月のローリングバーも回転します。
動画で見てもらうのが一番分かりやすいのですが、また機械がありましたら配信したいと思います。
今回で、時計メーカー探究は終わります。
一年間様々な時計を載せてきました。ご愛読いただき誠にありがとうございました。
まだまだ見てもらいたい時計があり不定期でアップする予定です。
来年は新たな企画を考えていますのでお楽しみに!