・今回の修理品 ROLEXのアンティーク
・修理依頼 オーバーホール リューズでゼンマイが巻けない
70年以上前の時計です。
さすがにこの位年代が経っていると初めてのオーバーホールと言う事はまずありえません。
既に何度も何度も修理さている場合がほとんどです。
裏蓋を開けて見たところ、受けのメッキもかなり剥げており、ネジもずいぶん傷ついています。
アンティークの購入の際、コンディションを見極めるのに受けやネジ等のパーツが綺麗であるかが一つのポイントになります。
表立ったパーツが綺麗であることは、それだけ丁寧に修理をされている可能性が高いからです。
もし、アンティーク時計を購入される機会がありましたら、ムーブメントを見せてくれる所を選ばれたほうが良いでしょう。
今回の様な状態の時計は、細部に至ってチェックしていかないと修理進行になった場合、思わぬ不具合で大変な修理となってしまう可能性が高いです。
リューズでゼンマイが巻けなかったのは、角穴車(ゼンマイが入っている香箱に付く車)の歯が欠けているためでした。
既にパーツが無い時計ですので新しい角穴車を別作しました。
内部をチェックしていくと鉄ゼンマイがへたっており、このまま使ってもテンプの振りも出ず、パワーリザーブ等にも影響するので、ニバフレックス素材のへたりにくいゼンマイに交換しました。
内部状態はまずまずと言う感じで、錆取り、ホゾの研磨等が必要でした。修理後の精度は日差20秒以内に収まりました。
・今回の修理料金 OH、ゼンマイ交換47000円、角穴車別作60000円
※修理料金は機械の状態や作製するパーツの難易度で料金が変わります。