・今回の修理品 RSW
・修理依頼 傷が目立ってきたので、ケースの仕上げをして欲しい
ケースの仕上げです。
お客様が一番目に付くのがケースの傷になると思います。そういう意味で、内部機械の修理とは違う神経の使う仕事になります。
日常で使っていると知らず知らずの内に擦り傷や打ち傷が付いてしまいます。
傷が増えるとケースもくすみ、本来の輝きが失われてしまいます。
機械のオーバーホールだけでなく、ケースも磨いてあげる事でリフレッシュした気持ちでまた使い続けられます。
今回の修理品は擦り傷が多数あり、所々に打ち傷もありました。
素材はステンレスです。仕上げの仕事で重要なことは傷を取ることはもちろんですが、印象を崩さないことが挙げられます。
ただ単に傷を取ることは難しい作業ではありません。
バフ機と言われる磨く機械に当て続ければよい事です。
ですが、傷の部分ばかり当て続ければ、その部分だけ削り落とす訳ですから形が変わってしまいます。
これでは、ケースの見た感じが変わってしまうことになります。
ちょっとした擦り傷ならミクロン単位で磨けば取れますが、0.5mmほどの深さの打ち傷を磨いて取ろうとすれば、かなりケースの印象は変わってしまいます。
ですから、傷の深さを考慮しながら、印象を保つ作業をする必要があります。
印象を崩さないコツとしては、丸みを帯びてるケースは丸みを大事に、角ばっているケースはエッジが立つように面と面の際の処理が大事になります。
傷も取ると言う感覚ではなく、周りから寄せて埋めてあげる感覚を大事にします。
実際、金属は伸びます。これを利用することで、削る量を最小限に抑えることが出来ます。
傷一つ取るにでも色々な方向からバフ機にあてます。
バフ機で取りにくい所は、リューターを使い取っていきます。
バフ機もリューターも荒磨き、仕上げ磨きでバフや研磨剤を変えます。
最近はケース構造の複雑な時計が増え、技術的にたかいものが求められています。
一度印象を変えられてしまうと、修復するのは大変な作業となります。
内部機械だけでなく、外装の仕上げも技術料の高い所をお勧めします。
・今回の修理料金 ケース仕上げ 15000円
・修理期間 2週間
※修理料金、期間は状態、形状、本数で変わります。
そういう意味で、内部機械の修理とは違う神経の使う仕事になります。