現在の自動巻時計は、腕の動きなどにより回転するローターの駆動でゼンマイを巻き上げるタイプが全てと言って良いくらいである。
しかし、自動巻きの黎明期にはユニークな構造の物が若干存在する。
この時計は、その一つである。
ケースに収められたムーブメント自体が腕の動きにより、上下に動きゼンマイを巻き上げる仕組みである。
構造からしてゼンマイ巻き上げ効率はあまり良くないかと思ったが実際には、十分な巻き上げをしてくれる。
腕の動きに合わせて、カタカタと文字盤が上下している姿は微笑ましくもあり、今には無い遊び心とゆとりを感じさせてくれる。