時計の修理とは? No.1-4

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もうひとつ、輸入会社の対応で危惧していることがあります。現行品で日本で修理ができるものは問題ないのですが、できないものへの対応が私は気になります。現行品でも新製品はスイス修理、永久カレンダーなどちょっと複雑な機構になるとすぐスイス修理になっていますが、購入時に修理はスイス送りになると聞いていますか、説明されていますか。先日、私のところに来たお客様が、スイス修理になるが4カ月ほどかかるといわれたとメーカーの対応に怒っていました。急ぐということなので私がみたところ、オーバーホールで十分だったのでそのようにしてお返ししました。どうしてスイスで修理しなければならないのかと思うような時計もスイス送りになっているようです。
このことがあったので、ある輸入会社に聞いてみました。スイス送りでクレームはないのですか、と。答は、あるとのことでした。そのことをスイス側に伝えたら、そのような時計をお持ちのお客様はいくつも所有されているのでひとつぐらいスイス送りになっても問題はないのではないかとの回答だったそうです。皆さん、この回答をどう思いますか。私は、お客様のことは考えてないねと、つい言ってしまいましたが、ここのところのこのような話をよく聞きます。現行品でもこの有様ですので、30年前の時計ともなると門前払いになるか、預かるにしてもスイス送りになり料金もびっくりするようなことになるということでしょうか。これでいいのでしょうか。

この文章は、THE WATCH & JEWELRY TODAY(株式会社 時計美術宝飾新聞社)に2011年1月~11月と2012年3月の12回連載されたものを打ち直したものです。

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