時計の修理とは? No.3-1

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前回、日本のお客様は世界一厳しい目を持っている、とお話ししましたが、そのお客様を満足させるためには、私達修理技術者のさらなる技術向上が求められると思います。特に私としては「スイス修理」となっているものを「日本修理」できるようにしなければいけないと思っています。

4ヵ月から6ヵ月もかかるスイス送り修理を気分良く預けるお客様はいないと思いますが、一度だけ、俺の時計、今スイスに行って修理しているよ、と自慢げに話される人がいました。私の工房に、メーカー(代理店)の対応に不満を持ったお客様が来店されますが、びっくりするのは、私がかつて担当していたときはOKだったのに今はスイス修理になっているものが多数あることです。どうしてでしょう、時代が変わったのでしょうが、私はそうは思いませんが。ただ私が担当していた頃は、そのブランドの生き字引のような技術者がトレーナーとしていたのですが、今はどのブランドも30歳前後の若いトレーナーとなっているようです。この事が何か作用しているのでしょうか

この文章は、THE WATCH & JEWELRY TODAY(株式会社 時計美術宝飾新聞社)に2011年1月~11月と2012年3月の12回連載されたものを打ち直したものです。

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