第二回はパテック・フィリップです。
高級時計の中の高級時計、この言葉が一番似合う時計ではないでしょうか。
皆さんは高級時計と言えばどの様なイメージをされるのでしょうか?
宝石が沢山散りばめられている、金色でピカピカしている、
もしこのような印象を持たれているなら間違いではありませんが、パテック・フィリップにはあまり当てはまらないかもしれません。
それでは、歴史を追ってその魅力を探っていきたいと思います。
ポーランド生まれのアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックが亡命先のジュネーブで高級懐中時計の製作をはじめ、
同じポーランド移民で有能な時計師のフランソワ・チャペックと共同で最初の会社、パテックチャペック社を1839年5月1日に設立しました。
その後、技術者ジャン-アドリアン・フィリップとアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとの巡り合いにより、パテック・ フィリップと社名を変更し、高級時計メーカーとしての地位を築いていきます。
機械的な発明で言うと歴史に残る物はあまりありませんが、だからと言って技術力が低い訳ではなく、むしろかなり高いのです。
もちろん、永久カレンダー、トゥールビョン、リピーターと言う複雑時計は出していますが、それを売りにしていない感じすらするのです。
近年、どのメーカーも技術力のアピールが凄い感じがしますが、パテックはその流れとは無関係の位置にいるように思われます。
1989年に発表された33の複雑機構をもつダブルフェイスの懐中時計、2000年に発表された21の複雑機構を備えた懐中時計など、節目節目で歴史に残る時計を発表しているのです。
シンプルな時計の機械も裏蓋を開けてみると、工芸品のような仕上げがされています。
見られることもない、精度にも影響しない所にも手を抜かない。
ここにパテックの本質があるように思います。デザインもシンプルな時計などは、そんなに高い時計には感じないのではでしょうか?でも、見ていると何とも言えない気品を感じてきます。
シンプルな時計ほど気品を出すのは難しい、絶妙なバランス感覚ですね。
時計を知れば知るほど、パテックに行き着くのも歴代の顧客をみてみれば頷けます。ビクトリア女王、リヒャルトワグナー、トルストイ、アインシュタイン、etc。著名人を上げたら切がないくらいです。
手に入れるのは難しいですが、実物をみてパテックの魅力を実感してみてください。
それでは、次回は機械内部を覗いてみたいと思います。お楽しみに!