時計の修理とは? No.4-1

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前回、スイス送りの修理を日本国内修理にしませんか、とお話ししましたが、皆さんどう思いますか。特に営業の方、また輸入代理店の社長様、この件でどのような考えをお持ちでしょうか。考えてみてください、好きで購入した時計が4ヵ月も6ヵ月も手から離れてスイスに送られるのですよ。その間はどうしますか、前に持っていた時計それとも新しい時計を購入しますか。スイス修理が、いかに購入者にいやな思いをさせているとは思いませんか。
スイス修理がいけないと思うのは第2回で話しましたが、長期間かかって出来上がってきた修理品がちゃんと2、3年何事もなく動いてくれるのであればいいのですが、中には2ヵ月、3ヵ月後に不具合が生じることがあります。そうした時、どうしますか。日本で修理が出来ないと、当然またスイスに送り4ヵ月かかるとお客様に説明しますか。スイス本社から裏蓋を開けるなとの指示があるので日本では出来ないとスイスの責任にして説得するのですか。自分たちで修理していないので自分たちの責任ではないと考えているのでしょうか。そのほうが楽なのでしょうか、もしそうだとしたら、購入した時計愛好家ががまんすればいいと思っているのでしょうか。

この文章は、THE WATCH & JEWELRY TODAY(株式会社 時計美術宝飾新聞社)に2011年1月~11月と2012年3月の12回連載されたものを打ち直したものです。

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