時計メーカー探究 パテック・フィリップ編 ②

  • LINEで送る
時計メーカー探究 パテック・フィリップ編 時計 修理 (腕時計 修理) 風景

時計 修理 PATEK PHILIPPE パテックフィリップ 時計 修理 PATEK PHILIPPE パテックフィリップ 時計 修理 PATEK PHILIPPE パテックフィリップ 

早速ですが、機械内部を見てみたいと思います。
パテックになりますと名作と言われるムーブメントが多くあり、どれを掲載するか悩むところですが、丁度パテックの名作中の名作と言われるCAL.27-460を搭載した時計があるので、これを見てみましょう。
この機械が作られたのは1960年代で製造にコストがかかり過ぎる事から製造期間が短かった物です。
数多くの自動巻き時計を見てきましたが、やはりこれほど手の入った自動巻きムーブメントは無いかもしれません。
当時のパテック一本で家が建ったと言われますが、贔屓目に見てもそれに近い作りであります。

まずは、時計の心臓部分テンプを見てみましょう。このテンプはジャイロマックステンプと言われます。
天輪部分にある小さい輪っかがありますが、これは重要な役割をしています。
輪っかに切れ込みがあるのに気づきましたか?ここを回し位置を変えることで、時計の進み遅れが変わってきます。
難しい説明は省略しますが、これを動かすことで慣性モーメントが変わり進み遅れを調整出来る訳です。
このテンプにすることで、より安定した精度が保証されます。

次に見て頂きたいのは、自動巻き機構です。18金のローターが印象的ですが、これほどウエイトのある物もなかなかありません。
重たいローターを支える軸も強固に作られており、動きをスムーズにする為にベアリングを使用しています。
写真の物は金属のベアリングですがルビーで出来ていた物もありました。
写真からは見えませんが隣接した車も裏側にベアリングが入っています。
ローターが回ると二つの爪のレバーが動きゼンマイを巻き上げる車を動かしていくのですが、爪のレバーも数点のパーツで構成されており、些細な部分もしっかり作ってあります。
自動巻き部分だけ見ても如何に手が入っているのかを感じます。同じようなシステムを採用しているメーカーはありますが、もっと簡略した物しかありません。

最後に、今回のサンプルのコンディションがいまいちで傷が多かったのですが、それでも仕上げの美しさが分かるかと思います。
機械と言えば無機質な印象があるかと思いますが、ここまで仕上げられてくると人の温もりを感じるのは私だけでしょうか?
まだまだみて頂きたい部分はあるのですが、それは次の機会にしたいと思います。次回もお楽しみに!

  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。