時計の修理とは? No.5-3

  • LINEで送る

話を始めに戻します。彼が、また私が危惧していたことが、今現実になってきているのではと思っています。ついこの間も違う有名ブランドの技術者が言っていました。キズを取ることに集中して、いかにキズのない仕上げをするかに夢中でやっている。そのため、18金のブレスの仕上げをやってペラペラにした若い技術者がいたと聞きました。どうしてこのような、オーバーホールをしたらケース仕上げをするようになったんだろうか。私の記憶では20年前はなかったと思いますが、どうしてどのブランドも仕上げをするようになったのでしょう、それも仕上げの出来を競うように。

この文章は、THE WATCH & JEWELRY TODAY(株式会社 時計美術宝飾新聞社)に2011年1月~11月と2012年3月の12回連載されたものを打ち直したものです。

  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。