時計の修理とは? No.5-4

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私の穿った考えを話します。たぶん大きな時計販売店あるいは有名デパートの要望で始まったのではないかと思っています。オーバーホールでお預かりした時計が、出来上がってきた時にケースもきれいになっていたらお客様も喜ぶし、何より機械だけの修理よりケースがきれいになっていれば、説明をせずともお渡しできるから楽ですね。でも本当にお客様は全員望んでいることでしょうか。お客様の要望ではなく預かる側の都合で始まったように思いますが。思い出しましたが、昔のお客様はケース仕上げはしないでくれ、削って薄くなって軽くなるから、と言う人が結構多くいました。今はそう言う人はいませんね、時代の違いでしょうか、それとも時計に対する思い入れが違うのでしょうか。

この文章は、THE WATCH & JEWELRY TODAY(株式会社 時計美術宝飾新聞社)に2011年1月~11月と2012年3月の12回連載されたものを打ち直したものです。

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