時計メーカー探究 フランク・ミュラー編 ①

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時計 修理 FRANCK MULLER フランクミュラー 

今回は、フランク・ミュラーです。弊社の山田がワールド通商時代に日本に輸入され始めてから最盛期を経て、数年前まで関わっていたブランドです。
それでは、その歴史を振り返ってみたいと思います。

フランク・ミュラーの生い立ちですが、スイスのヌーシャテル州ラ・ショード・フォンでスイス人の父とイタリア人の母の間に生まれ、10代の頃から骨董品や古い機械式時計に興味を持ち始めます。
1975年、17歳でジュネーブ時計学校に入学、3年間で履修すべき単位を1年で修得し、卒業前からその卓越した技術が注目され、主席で卒業。
卒業後はアンティーク・ウォッチの修復をし、独自の創作活動も続け、毎年のように複雑時計を発表する。
この時点でブランド設立前から時計界の話題になっていた。

1992年に会社を設立し、「FRANCK MULLER」のブランドを掲げて本格的な時計作りを開始した。
1998年にフランク・ミュラー・ウォッチランドに社名変更し、S.I.H.H.(ジュネーブサロン)を離脱して独自の時計展示会W.P.H.H.を開催した。
現在はピエール・クンツ、クストスを初めとする複数のブランドを所持するフランク・ミュラーウォッチランドグループとして運営している。

会社の歴史としては新興メーカーの為にそれほど書くことはないのですが、この20年位の間に発表された時計は常に注目を浴びるモデルで溢れている。
時針が自由に文字盤上を動く「クレイジー・アワーズ」、ルーレットを搭載した「ヴェガス」などのユニークな時計から、トゥールビョン、永久カレンダー、ミニッツリピーターなどの複雑機構を全て組み込んだ「エテルニタス」シリーズ、トノウ・カーベックス、ロングアイランドなどビンテージ時計からインスパイアされた独自のケースを使用した時計など、ここだけでは書ききれない程の魅力あふれる時計が多い。
しかし、フランクの魅力が一番詰まったモデルは何かと言われれば、今回写真に載せた「カサブランカ」ではないでしょうか?
他のブランドでもそのモデルデザインを参考にしている物も有るくらいに一時代を築いた時計でもあります。
「トノウ・カーベックス」と言われる革新的なケースは斬新ではあってもトータルバランスに優れ、誰が見ても素直に美しいと思える普遍性を持っています。
その普遍性の根源は何かと考えた時、フランクが古典時計に深い愛着と豊富な知識を持ち合わせている事からで、それによって、どこかノスタルジックだが前例のないフォルムが生み出されたのではないだろうか…。
だが、技術とデザインセンスの二つを神から授けられたフランクも既に「フランク・ミュラー」には居ない。
天才の目指す所は何処なのであろうか?

次回は、その機械を見てみたいと思います。お楽しみに!

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