時計の修理とは? No.9-1

  • LINEで送る

今回はCMWの話をしようと思っていましたが、前回8月の記事を読んだ若い修理技術者の方から話があったので、まず先にそのことを話したいと思います。今はそのことが大事だと思いますから。

彼の話から始めます。

「山田さんの言うように時代が違うし、お客様の修理に対する考えも変わってきています。たぶん山田さんが修理を始めたころは、お客様も、これ壊れたから修理しておいてと、ぽんと置いていったと思います。その時計を受け取った技術者も、わかりました、直しておきますと受け取る。この間のお客様と修理技術者の間にはお互いの信頼があったと思います。ですから出来上がってお渡しするときも、直って動いていればよかったのです。信頼関係があったからそれでよかったと思います。ところが今はどうでしょうか。もちろん昔は町の小売店には必ず技術者がいて修理対応していたが、今は技術者がいるところは本当に少なくなっているように思います」

 

この文章は、THE WATCH & JEWELRY TODAY(株式会社 時計美術宝飾新聞社)に2011年1月~11月と2012年3月の12回連載されたものを打ち直したものです。

  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。