時計の修理とは? No.12-2

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ところが今、私の見るところ、残念ながらそのようにはなっていません。現に私の工房にはある有名ブランドとか、修理を正業とする修理技術会社から部品作りの依頼があります。本来は自分の会社の中で取り組むべきだと思いますが、修理会社といいながら部品作りができなくなっていることが分かります。これは前回にお話したことですが、部品の入手が手軽になり作るという作業をしなくてもよくなったのです。ですがそのために弊害も起こっています。つまり部品が手に入らなかったら直らないと思ってしまう技術者がいるということです。作ってでも直すということを忘れてしまった技術者が多いのです。時計販売店の皆様、これで大丈夫でしょうか。今までの連載文面を読み返してみましたら、やたらと心配ばかりしている文章が多くて自分でもびっくりしています。

 

この文章は、THE WATCH & JEWELRY TODAY(株式会社 時計美術宝飾新聞社)に2011年1月~11月と2012年3月の12回連載されたものを打ち直したものです。

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