時計メーカー探究 A.ランゲ&ゾーネ編 ①

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時計メーカー探究 A.ランゲ&ゾーネ編  時計 修理 (腕時計 修理)風景

時計 修理 A. Lange & Sohne ランゲ&ゾーネ

今回はA.ランゲ&ゾーネです。
弊社の山田がワールド通商時代に担当し、ドイツのグラスヒュッテで技術研修を受けた思い入れのあるブランドです。
では、山田も心底惚れ込んだランゲの歴史を見てみましょう。

創業は1845年。ドレスデンの宮廷時計職人の下で修業し、イギリス、フランス、スイスで時計技術を習得した創業者フェルディナンド・アドルフ・ランゲが貧困・失業対策としてグラスヒュッテに時計工房を開いたのが始まりです。
1868年に息子のリヒャルト・ランゲとフリードリヒ・エミール・ランゲが加わり、「A・ランゲ&ゾーネ・ドレスデン」に商号変更しました。

ランゲ・アンド・ゾーネという社名は「ランゲとその息子たち」を意味し、これ以降、グラスヒュッテはスイスと並ぶ時計の一大生産地へと成長しました。
しかし、第二次世界大戦中、グラスヒュッテは戦災に遭い、さらに戦後、ランゲ・アンド・ゾーネも含めたグラスヒュッテの時計メーカーは設備や資産を東ドイツ政府に接収され、グラスヒュッテ国営時計会社に統合されました。

4代目のヴァルター・ランゲはフォルツハイムに時計工房を開き、1960年代にインターナショナル・ウォッチ・カンパニー(IWC)と協力関係を作り再興を意図しますが、クォーツ・ショックにより頓挫してしまいました。
1990年の東西ドイツ統一時、自身も時計師としての経験を持つドイツの財閥マンネスマングループの鉄鋼部門の代表が「統一を記念してドイツ時計の最高峰を復活させよう」と傘下のIWCの社長に命じ、偶然にもマンネスマン傘下の企業に勤めていたヴァルター・ランゲを探し出しブランドが再建されました。
1990年12月7日、A.ランゲ&ゾーネの商標が再登録されました。
そして、今は亡きMr.ブルムライン社長の元で輝かしい復活を遂げました。
2000年にはその再建を支援したIWCとともにリシュモングループ傘下のブランドとなり現在に至ります。

写真のモデルは「ランゲ1」。
ランゲの復興の記念碑的モデルです。今では普通になってしまったビックサイズデイト表示はランゲが先駆けですが、このビックサイズデイトも創始者アドルフ・ランゲの師にして、義父でもある宮廷時計師ヨハン・ガトカスがオペラ劇場のために作ったデジタル表示式5分時計を元にしています。
デザイン、機構面でもランゲの血はしっかりと受け継がれています。

次回は機械を見ていきましょう。お楽しみに!

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