時計メーカー探究 A.ランゲ&ゾーネ編 ②

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時計メーカー探究 A.ランゲ&ゾーネ編  時計 修理 (腕時計 修理)風景

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それでは、機械を見ていきましょう。
時計の裏側ですが、シースルーバックになっている為に、裏蓋を開けなくても正に工芸品とも言える仕上げの美しさを堪能できるようになっています。
仕上げの美しさはもちろんですが、その独特な受けの形状から通常の機械とは違った印象を受けるかと思います。

4分の3プレートの受けですが古典的な懐中時計から使われており、ランゲの古き良き時代を彷彿させるムーブメントデザインになっています。
歯車のホゾが入る穴石もシャトン留めになっており現代の機械でこれを採用している物はごく僅かになります。

独特なのは受けだけでは無く、輪列の配置やパワーリザーブ機構、ビックデイト機構など多々あり、一回では紹介できないので全体的に見る事だけに止めたいと思います。
では、この大きな受けを取ってみると、二つの香箱と輪列のほとんどが現れます。
各ユニットがそれぞれ独立しており、修理の際に組み立ても見た目より非常にやり易く設計されています。

文字盤側ですが、ベースとなる地板の上に二枚の受けが重なっており、一番上がビックデイトカレンダー機構、ムーンフェイズ機構となっており、その下の受けにパワーリザーブ機構になっており、大きな櫛歯が印象的です。
この下が裏回り機構と言われる、リューズで針を動かしたりする時の輪列や時針、分針が付いたりする車があります。

ざっと見ただけでもそれぞれに独特な設計の機構があり、いかにランゲ復興が意義のあるものであり、それに込めた情熱が半端でないのがわかります。
ランゲの修理はある意味難しい物ではありません。

きちんと洗浄、注油、組み立てが出来ればほぼ直るものですが、一つ一つのパーツが極限まで磨き上げられ、大変傷つき易いが綺麗に仕上げられた受けなど・・・本当にネジにドライバーを立てるだけでも緊張が強いられるのです。
技術者の技量をここまで映し出す機械はなかなかありません。

それでは、次回もお楽しみに!

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