時計メーカー探究 ダニエル・ロート編 ①

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DANIEL ROTH 時計メーカー探究 ダニエル・ロート編  時計 修理 (腕時計 修理)風景

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今回は、ダニエル・ロートです。言わずと知れた独立時計師の走りの一人です。まずは、ロートの経歴を追ってみましょう。

1945年にフランスのナンテュアに生まれます。
ニースで子供時代を過ごし、時計学校卒業後に兵役を終え、スイスに移住します。
1963年、ジャガー・ルクルトに入社しますが、翌年には退社してしまいます。部品会社を経て、オーデマ・ピゲに入社し、極薄型ムーブメントの開発に携わります。
1970年頃以降、当時ショーメ傘下にあったブレゲ復興に尽力し、アブラアム=ルイ・ブレゲ作の懐中時計の分解調査を経てトゥールビヨンの腕時計へのサイズダウンを実現します。
これにより、ブレゲ社はついにトゥールビョン腕時計を発表出来たのでした。
ブレゲの懐中時計の構造を解明し、腕時計サイズに設計し直すことで現代に甦らせることに成功した事は、ある意味、現在のブレゲ社の礎はロートによって築かれたと言えるかもしれません。
ブレゲでの使命を終えたと感じたロートは1988年に独立し、時計メーカー「ダニエル・ロート」を設立します。
しかし、2000年末にブルガリ社のグループ傘下に吸収されてしまいます。
2001年にはジュー渓谷のル・サンティエで妻、息子と共に時計メーカー「ジャン・ダニエル・ニコラ」を設立し、スペシャルピースのみを製作する独立時計師の道を歩んでいます。

ブルガリの傘下に入ってロート自身はいなくなりましたが、現在発表されている時計にはケースのデザインは勿論、針の形や文字盤のデザインは受け継がれています。
あるようで無いのがケースの形状です。この独特の形状は複雑な機構を組み込むのに理想的な形だとロートは語っています。
控えめながら強烈な個性を醸し出しているのは、ロートの人柄を表しているように感じます。

それでは、次回は内部機械を見ていきましょう!

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