時計修理例

フランク・ミュラー オーバーホール&歯車作製

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・今回の修理品 フランク・ミュラー クレイジーアワーズ
・修理依頼 遅れる 針の動きがおかしい

オーバーホールと歯車作製の修理です。
針の動きがおかしくなるのは、ジャンピングアワー機構を持ったクレイジーアワーズに良くある不具合です。
1時から2時、2時から3時と時針がジャンプしていかないといけないのですが、大概の場合、飛びすぎてしまい時間が狂ってしまいます。
現在は改良が加えられ、かなり改善しました。

今回の時計は、まだ初期のモデルで不具合が多発していた頃の物です。
オーバーホールをすると、しばらくの間は正常に作動しますが、確実に同じ不具合が再発します。
針の動きがおかしくなってしまう一番の原因は筒カナ車に付く特殊な歯車です。
この歯車の歯数は12枚で、歯数が少ないために起きてしまいます。
歯数を増やし、歯に加工を加えることで解消します。
その他に、筒カナ車自体にも修正を加えます。

遅れの原因は全体的な油劣化で、パーツの交換はなく、ホゾを多少磨き、あとは綺麗に洗浄、組み立て、注油、調整で良くなりました。

・今回の修理料金 OH 65,000円、歯車作製 40,000円

パテック・フィリップ オーバーホール&ゼンマイ交換

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・今回の修理品 パテック・フィリップ 5014
・修理依頼 すぐに時計が止まってしまう。

ゼンマイを巻いても時計が止まってしまうとの事でした。
お預かりの際、リューズを巻いてみると、巻き止まりがなくゼンマイが切れていると判断しましたが、
実際にゼンマイが入る香箱からゼンマイを取り出して見てみると、
以前修理したお店では、ゼンマイ切れ修理の際に香箱にゼンマイをひっかける部分を加工をするだけの修理をしていました。

手巻きの時計でゼンマイのひっかけの部分が切れてしまうのは良くある事です。
専用のゼンマイがあれば交換すれば済むことですが、無かった場合は幅、厚みが合っていて長さの長いゼンマイをカットし、ひっかけの部分を作ります。
しかし、今回の加工の仕方はいかがなものかと思います。

切れたゼンマイの端をただ折り曲げただけです。
切れたゼンマイを折り曲げているのですから、当然長さは短くなり持続時間に影響します。
ニバフレックス素材のゼンマイは熱処理をしており、そのまま曲げれば折れてしまうので、
折り曲げる為に火をかけて柔らかくしてしまっています。

加工したひっかけの部分も最初は閉じていたので巻き止まりはあったと思いますが、
使用している内に開き、巻き止まりの機能を果たさなくなったのでしょう。
まだ機能を果たしているなら百歩譲ってよしとしますが、しかし最高級時計パテック・フィリップです。
この修理で納得できるお客さんはいるのでしょうか?

高級時計は技術者以外に見られることのないパーツも一つ一つ綺麗に仕上げられています。
やはり、それに見合った修理の仕方があると思います。

・今回の修理料金 OH 52,000円、ゼンマイ交換 8,000円

ロジェ・デュブイ トゥールビョン OH

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・今回の修理品 ロジェ・デュブイ スケルトン トゥールビョン
・修理依頼 定期的なオーバーホール

定期的なオーバーホールで、特にパーツの摩耗も無く綺麗に洗浄、組み立て、注油、調整で良くなるのですが、
スケルトンのトゥールビヨンで見た目にも非常に面白い物ですので、初めから終わりまでの組み立ての工程を見てみましょう。

まず、洗浄後の全てのパーツです。
トゥールビョンは複雑だと思われている方がいるかもしれませんが、
実はトゥールビョンのキャリッジ部分を除けば普通の手巻き時計とパーツ数は変わりがありません。
それでは組んでいきましょう。

香箱、二番車を組み込み、輪列受けを載せていきます。
次に文字盤側に移り、針回し機構の組み立てです。

最後にトゥールビョンのキャリッジ部分を組み立てて行きます。
テンプを含めたガンギ車、アンクルの脱進調速機構を一体にした物ですが、写真を見てわかる通り、パーツ全体に占めるトゥールビョン機構のパーツがいかに多いか分かります。
大きさの目安として楊枝を置いてみました。

最初にガンギ車、アンクルを組み付けます。
この部分のアガキはシビアに調整されているので、適切なアガキがあるかきちんと確認しなければいけません。
次にテンプ及びテンプ受けを組み付け、三番車から伝わるベアリング車を組み付けます。最後にテンプの受け石、穴石を取り付けてキャリッジの完成です。

組み上げたキャリッジを地板に組み込んでムーブメントの完成となります。

文字盤、針を付けますが、サファイヤガラスの文字盤ですので、針を抜く時に割れないように注意し、ゴミにも注意が必要です。
最後にケースに入れて終了となります。

※分かりやすさを優先したために実際の組み立て工程とは若干違います。

・今回の修理料金 OH 250,000円

ラドー ダイヤスター バンド修理

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・今回の修理品 ラドー ダイヤスター
・修理依頼 ケースとバンドを繋ぐ部分が壊れた

バンド12時側のエンドピース部分が壊れて、バネ棒が通る管の部分も割れてしまっています。
メーカーさんでも既に製造中止のモデルで、修理対応も終了しています。
バンドを他の物に変えれば時計としては使えるのですが、依頼者様はどうしてもこのバンドで使いたいと修理にきました。
接着剤でどうにか留めようとした後があります。

管の部分だけでしたら、その部分を作りレーザー溶接で留め、メッキ処理をすれば済むことですが、バンドが反り返るのを防ぐ足の板も折れているので、バンドに溶接されている部分一式で作るしかありません。
この形状を作っていくのも大変ですが、それを留める溶接であったり、メッキ処理も特殊な技術が必要です。

時計修理と言うと内部機械を直すことに重点が置かれがちですが、バンドはもちろんケースやリューズなどの外装部分は内部機械とは違った知識、技術が必要となり疎かにできません。

・今回の修理料金 ブレス修理 60,000円